20世紀少年 読破

ようやく「20世紀少年」&「21世紀少年」を読み終えました。「ネタバレ注意」でお願いします。
感想です。私は巷で言われている程の違和感は無く割合、納得して読み終えました。ちなみに奥さんはラストで全てが解明されないのは気持ち悪い、という感想。
確かに、いくつかの疑問は残したままだが、この作品は推理小説ではないので個人的には気にならない。八年かけた長編だけに、その時々の世相なり作者である浦沢氏の感性によって変化、成長をしていったのではないだろうか。結果的に整合性が取れない部分があっても仕方ないとあえて思う事で納得した。
さて推理小説として楽しんで読まれた方の最大のポイントであった「ともだち」の正体。第一の「ともだち」はフクベエ、第二の「ともだち」はカツマタ君でした。この二人が入れ代わりながら「ともだち」を演じていた、というのが定説らしい。カツマタ君て誰?という事で賛否両論あったと思うが私は最初から、知った上で読み進めていったので、その肩透かしのような衝撃は味わう事はなかった。確かに何も知らない状態で読んでいくと、カツマタ君っていつ出てきたっけ?という扱いだ。しかし読者のその感覚こそ、ケンヂら原っぱメンバーの感覚そのものだったのだろう。それほど彼は彼らの中で存在感、印象が薄い存在だったという事か。
個人的に一番気になった「ともだち」の動機。フクベエは注目されたいという子供なら誰もが持つ自己顕示欲が強すぎた事。その注目を浴びようとした方法が嘘によるものだった事。注目を集めるケンヂら原っぱメンバーへの強くよこしまな嫉妬心。カツマタ君はケンヂら原っぱメンバーに入りたい、友達になりたいという想い、そんな憧れでありヒーローであったケンヂがした万引きの犯人として自分が疑われ虐めの対象になってしまった事。強い憧れと失望の葛藤。私は簡単に、こう捉えて読みました。
物語は世界的な規模で展開し、話を大きく広げすぎ収拾がつかなくなった、という意見もあるが少年時代の倒錯した情念から、ここまで物語を膨らませ読者を引き付けていった浦沢氏の力量を素直に凄いと思う。
数ある疑問。例えばフクベエとカツマタ君の顔がそっくりな事、カンナの父親はどっち、正体は本当にカツマタ君なのか等。これらの疑問も含め読者自身があれこれ自分なりに推測し解釈して楽しめばよいのでは、と思う。
クラスや部活、会社やサークル等にも必ず中心になり注目を浴びる存在はいる。そしてその裏には憧れや嫉妬の想いを静かに、時には激しく視線を向けている存在もある。中心にいる存在は、そんな意識など当然ないだろう。何気なくとった行動、言動が知らず知らずに他人を傷つけてしまう。そんな事を思った。ただ中心にならなくても出来る事はある。中心でないから出来た事もあるだろう。それぞれが置かれた立場で成し遂げる事はいくらでもある。無意味な事など何もない。必ずどこかで誰かの役に立ち、そんな行動を誰かが見てくれている。そんな風に思いたい。
映画公開も重なりTSUTAYAでレンタルするのに苦労したが、読み始めると途中で止める事が出来ずに一気読みしてしまった。読み終えてしまうと何か寂しい気分で他の浦沢作品でも借りようかと思ったが、隣でテスト勉強している娘&奥さんの冷たい視線が痛いので暫くは漫画は控えます。
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