民主党代表選とマスコミ
マスコミの論調は、どうやら鳩山幹事長よりも岡田副代表を支持しているようだ。世論も、鳩山氏だと「小沢傀儡政権になるのでは」との声が大きいらしい・・・。というか、そういう世論を誘導しているのが透けて見える。逆に自民党は「岡田代表になると怖い」という。これまでのマスコミと自民党との関係を考えれば、本音は「岡田代表になって欲しい」という答えが導かれる。鳩山代表より岡田代表のほうが、組みやすし、という事か。
もともと産経、読売は自民党寄りだが、ここにきてメジャーどころは大方、麻生内閣側に立った報道の垂れ流しが目立つ。「政権交代」により起きるかもしれない、変化、改革は霞ヶ関のみならずマスコミ界にとってもどうやら好ましくないようだ。
作夜のNTV「NEWS ZERO」には鳩山幹事長が出演していたが、自分の意見を限られた時間内に言い切りたいのか、肩に力が入り過ぎた村尾キャスターと突っ込むタイミングを探しながら、なかなか会話に入れず中途半端な役回りに終始した粕谷政治部長との会話は全くかみ合わず、鳩山幹事長の考え、意見を聞く貴重な時間が浪費された感がある。最初から、批判的な意図の下でのインタビューでは期待するほうがしょせん無理か。
この番組、フィールドキャスターなる肩書きで出演している七尾さんという人もいるが、小沢代表辞任会見でも目立っていたようだ。しかし本来裏方であるはずの人が、いかにも目立たんが為の振る舞いはどうしたものか。そもそも自局番組のレポーターが発言する姿を撮らえるカメラワークに何の意味があるだろう。主役はどっちだ。彼女の質問もそうだが、今夜の村尾キャスター、粕谷氏のインタビューも、相手を苛立たせ、その姿や口ごもる様子を引き出したもの勝ちのような姑息さを画面から感じてしまう。裏でディレクターが「良い画、撮れたよ!」と言っているような想像すらしてしまった。その姿勢をなぜ、麻生内閣には向けないのだろう。といっても、総務省管轄のテレビ局には無理な話か。時の権力に批判の目を向ける事が出来ないマスコミにどれだけの価値があるのだろう、といったら言い過ぎか。
村尾キャスターは自身のコラムで「行政の無駄をなくすことはやらなければいけない課題としたうえで、行政改革をしている間にも困っている人は増えるので、増税で得た財源をすべて社会保障に使うと定めてしまう。行革によって浮いたお金で社会保障以外の支出に充てる」などの考えを示している。その通りだと思う。
また「不況の真っ只中で、増税をすれば個人消費が落ち込むことは否定できないが、政府は増税で得たお金を生活保護というかたちで困っている人たちに渡したり、年金というかたちで高齢者に渡したり、介護ヘルパーさんたちの給料アップなどに使えば、その人たちの消費は間違いなく増加します。」とも言っている。その通りだと思う。
更に「老後の不安や病気やけがをしたときの心配がなければ、お金は貯金をせずに消費に回すので社会保障制度が充実すれば、たぶん消費は増加する。その意味で社会保障制度の充実は景気の回復にプラスの効果がある」との考えも披露している。その通りだ。
最後にコラムは「増税を国民に理解してもらう為に役所の透明性の確保や情報の開示が不可欠。役所はどうやって仕事をしているのか?私たちが払った税金はちゃんと私たちの社会保障に充てられているのか?こうした疑問に役所がきちんと答えられない限り、国民は増税に理解を示すことはない」と締めている。納得だ。
共感できるコラムである。消費税問題、社会保障の財源に関して、この状況での増税はすべきではないという鳩山幹事長に執拗に迫っていた裏側には、こうした考えがあったのだろう。しかし一番のポイントは、今の自・公政権で村尾氏が訴えているような仕事が出来るのか、という事ではないだろうか。更に言えば、どっぷり甘い汁につかった官僚達が、自らのうまみを手放してまで、汗をかくだろうか。そこに国民は愛想をつかしたのだし、少なくとも今の自民党政権では官僚システムを変えることなど不可能だと思ったからこそ、これ程にまで「政権交代」が現実味を帯びているのではないか。だとしたら、やはりこの状況下での増税はすべきではない。まずは官僚組織に風穴を開けない限りは、国による無駄は無くならないし、その中での増税は到底、国民の理解は得られないだろう。
決して「政権交代」が全てを劇的に替えてくれるとは誰も思っていないし、民主党政権になれば薔薇色の生活が期待できるとも、もちろん思っていない。それどころか、かえって生活が苦しくなるかもしれない。それでも、やはり「政権交代」により起きるであろう様々な事象は、この国には必要だと思う。政府が官僚を、野党が与党を、マスコミが政治を、そして国民が選挙にて民意を示す。それぞれがチェック機能を果たし、厳しく見守るシステムが必要だ。あまりにも自民党と官僚の馴れ合い政治が長く続き過ぎた。
来るべき選挙では、有権者それぞれが、垂れ流される情報に惑わされる事なく重大な一票を投じなければならない。ここで判断をあやまるようだと今後、「政権交代」の目は大きく遠のくことになるだろう。これからの日本の行く末を左右するかもしれない選挙だということを各々が肝に銘じなくてはならないだろう。
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